錨を上げよ|壮大な愛の物語
2015/09/10
主人公の愛し方は情熱的、だから憎悪も凄い。
単行本上下で1200ページ超。久々の大作。
放送作家出身の著者の自叙伝なのか、とにかく女性への愛情をコレほど熱く語った小説も珍しいのではないかな?
主人公が愛した女性が10人ほど登場する。
主人公は激情タイプなので「自分の思い通りにならないと気に入らない。」だから、大体がちょっとしたすれ違いや、過去のちょっとした過ちを許せない主人公の「愛情から憎悪」によって回復不可能な終わり方や、逃げられ方をしていた。
それに対する反省はあるものの、行動変革までは行かないので同じ事を繰り返す。
読みきったあとの感想は、爽快感より「読みきった満足感」でしょうか?ただ、「自分だったら同じ状況の時、こうはならないかな?」と自分の恋愛感と照らし合わせ、物語に引き込まれました。
なので電車の中で読んでいると、ついつい乗り過ごしや、網棚の忘れ物をしてしまいます。
30代後半以降の男性向け小説かな?覚悟して読まれて下さい。
オススメ度:★★(★4つが最高)