蜜蜂と遠雷|紙面から音が聴こえる?
観客は、その音圧に、飛び出してくる音楽に、
吹き飛ばされまいと席で踏ん張って必死に耐えている。
直木賞、本屋大賞受賞。とのことで「相当」期待して読みました。687ページ、縦書き2段組の大作です。(文庫本だと4冊くらいになると思います。)
内容はピアノコンクールの話です。私、管楽器を嗜んでおりますが、ピアノはまったく経験がありません。その為、少々理解しづらい部分がありました。
コンクールまでの導入部、一次予選は物語にのめり込めました。描写も素晴らしかったです。イメージが浮かぶようでした。
そう、実際に「紙面から音が聴こえる?」描写は素晴らしかったです。
ただ、残念というか、演奏者は同じで曲が違うものの、表現の変化が難しかったのでしょう。第二次予選、三次予選、そして本選に進むにつれて少々中だるみして、読むのが辛かったです。
そしてエンディング・・・想像はできるのですが、実際の授賞式の描写はあった方が良かったのではないかなと?
そして、登場人物の誰が一番の主役だったのかが解らない?わざと?が少々引っ掛かりました。
ただ、ピアノを知らない私でも、楽しめたのは間違いありません。だから、ピアノに詳しい方は予想不能なくらい楽しい内容なのではないでしょうか?
あなたも「紙面からイメージが浮かび、メロディが響く」体験をされてください。
オススメ度:★★★(★4つが最高)